2024年2月


三井記念美術館にて。端正な顔と豪華な衣装、立派なお道具。女性が生まれたお祝いに誂えてもらって、お嫁に持っていって、娘に受け継がれて、何百年を過ごしてきた人形たち。小さな持ち物まで丁寧に保存され、漆はぴかぴかに光る。

暗い美術館が春の日和に包まれる。

最近かご作りに飽きて、読書もつまらない。このまま家でボーとしていたらバカになる、と思って、気になる展覧会には面倒がらずに行こうと思う。

正月の東博で見た朝鮮半島の焼き物が心に残り、根津美術館の朝鮮陶磁展へ。どっしりした質感と素朴と洗練の複合体。青磁も白磁も染付も、なめらかな肌にもシンプルも、味わい深い絵付も、何を見ても微笑みがこぼれてくる。たった1部屋の展示室を何周もした。

帰りは赤坂見附まで散歩して夕方はリハビリ。

住友家の漆器コレクション。何十人前で一そろいの豪華な会席膳やら青光りする螺鈿の茶箱やら豪華絢爛。これが使われた邸宅はどんなだったのだろうか、お膳使った後の手入れとか女中さんがやってたのだろうか、と想像が膨らむ。

天気が良かったので麻布台ヒルズ通り抜けて神谷町まで散歩。リハビリで右手を曲げ伸ばししながら歩いた。

夫が仕事を辞める気になった。会社の状況とか仕事のやりがいとか色々あったようで、このところボヤキが多いなあ、と思っていたら、来年度は大幅な体制変更もあるそうで、それならば、と辞めることにしたそうだ。

ボヤキは相変わらずだが、鼻歌も増えた。「キツネ狩りの歌」