たくあんの尻尾


夫が仕事を辞める気になった。会社の状況とか仕事のやりがいとか色々あったようで、このところボヤキが多いなあ、と思っていたら、来年度は大幅な体制変更もあるそうで、それならば、と辞めることにしたそうだ。

ボヤキは相変わらずだが、鼻歌も増えた。「キツネ狩りの歌」

オットの自慢するに、本体と対物レンズすべて揃っているのは極めて貴重なのだそうだ

オットが嬉しそうで私も嬉しい

約10年前、新潟の地元FMで聞いて、すごい歌だとびっくりして帰省のついでにCD探して「70年代ポップスなんとかかんとか」に入っているのをやっと見つけて買った。同じアルバムには、ツイストとか山本リンダとか入っている。

お盆のドライブに持ち込んだら、この歌のところで夫がボリュームを上げる。「誰のうた?」と。

驚いたことに、私たちは同じ歌が好きなんだね。

夫が来週来るので楽しみにしていたら、朝から晩まで釣りに行って私のところにはあまりいないらしい。
結婚直後、夫の友人が「この人はいい人だけど、魚釣りに関しては別人だから」と言っていたのを思い出す。

2度目の熊本勤務が決まって、動揺のうちに3週間。東京暮らしはあと1週間を切った。

夫がさびしがってくれるのが少しうれしいような余計にさびしいような。

夫の職場の餅つきに行く。

去年は知らない職場のものものにひるみ、みんなからも注目されて興奮したけど、今年は風景に慣れ、知ってる人もいて、自分にとって普通の場所になっている。

そんなものなんだなあ。それでいいのかなあ。と思う。

小学校以来の同級生5人が集まって結婚のお祝いしてくれた。

場所は川崎の「羅豚」。ネギと豚だけのしゃぶしゃぶをみんなでお腹いっぱい食べる。

お互いに「変わらないね」「お母さんに似てきたね」の応酬だった。

 

夫の職場の参観に行く。説明聞いて、お昼ご飯食べて、午後は敷地内の資料館見学。

でかいものや、小さいものや、古いものや新しいものを見て、なんだかうれしくなる。あと、働いている夫を眺めるのは、とても楽しい。

 

帰宅してお風呂に入っていたら夫が「ちょっとやらかしたので後で告白する」と。

何やったのかなあ、と考えて、「最悪のシナリオは何か」湯船で想定する。借金の保証人になっていたらとりあえず離婚する、浮気ならまあ許す。そのほかのことはその時考えることにした。

お風呂に上がって、ビール一口飲んで話を聞いてみたら「いつもより高いお皿を買った」そうだ。

土曜日、夫の衣裳を借りに六本木に行く。雑居ビルのワンフロアにある小さな事務所。

制服に着替えて少し胸を張った彼は、少し別人で、この人と一緒に歩けることがとてもうれしくなった。

火曜日は、夏休みをとったので、デパートでシャネルの美白とワコールの白い下着を買った。

 

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