クルマ


捻挫のせいでスケートを休んでいるので、うにちゃん号がますます稼動しなくなる。
週に1回、スーパーに行くだけの運転は、却って怖い。
夕方から冷たい雷雨。
夕暮れの街道を、うにちゃん号で走る。
上り車線はほかに車がなくて、片側3車線の真ん中を一人で走る。
何かを間違ったのではないかと不安になって、制限速度よりずっと遅くしかだせない。
引っ越してきて、FENを久しぶりに聞く。
CDの鮮やかな音に疲れたとき、NHKより少し強めの口調で、でも、騒いではいない語り口とリズム感がほしくなる。
よく聞いていると、何の話題か分かるときがある。
 
 
たまった買い物を片付けるために、うにちゃん号で出かける。細い住宅街の道を、ゆっくり進む。
運転席の目線でみると、手をつないで歩く熟年男女が多いのに驚く。
 
うにちゃん号(四輪駆動車)で、「グリーンロード南阿蘇」を走る。
 
外輪山の、俵山トンネルよりも上を走る道。
軽い粉雪が路面から舞い上がる。道路わきの樹木にも粉砂糖を振ったような着雪。
ここは本当に九州か。と思うような風景。
 
カーブとアップダウンの道を、まじめに走ったうにちゃん号は、平地に下りてからも少し機嫌がよさそうだった。
 
今年のクリスマスは、うにちゃん号の11歳の誕生日で、今日は車検を受けてきた。
消耗品の交換は色々あったけど、おおむね健康体で合格。
帰りみちは、今まで通ったことのない道を走ってみた。
 
小国にイチョウの黄葉を見にいこうとしたら、うにちゃん号のエンジンがかからない。
バッテリーが上がっている。
「どうして?」と思って、ライトスイッチを見てもセーフ。半ドアだったかどうかはすでに分からない。
 
保険会社のロードサービスで応急措置をしてもらって、近くのガソリンスタンドでバッテリーを交換。
取り返しのつくミスは気にしないことにしているけど、この手のポカには敗北感を感じる。
免許更新の通知ハガキが届く。今回も、なんとかゴールドで更新。
ペーパードライバーの時は、あっという間に更新時期が来たような気がしたけど、運転するようになってからの5年はとても長かった。
 
5年後も、その次の5年後も、ずっとゴールドで更新し続けることは、果てしないことのように思えてきた。
スリキズの修理に出していたうにちゃん号がやっと退院。
注文していた以外のキズも直してもらって、全体に磨きなおしてもらったので、よその車かと思うほどピカピカになってしまった。
 
走り出すと、代車で3週間乗ったスプリンターと比べて軽い。ぴょこんと飛び出す感じ。
うにちゃん号を修理に出したら、代車にスプリンター(10歳)が出てきた。
会社のカローラ(2歳)と同じようなものかと乗り込んでみたら、ハンドルの重さとか乗り心地の硬さとか加速感とか、なんとなく「男の人の車だなあ」と思う。
走っていると古いスプリンターに乗っていた友達を思い出す。小さなドライブをたくさんした。
 
オドメーターを見たら16万キロ走っていた。誰を乗せてどこを走ったのか、ちょっと聞いてみたい。
 

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