沢庵の缶詰


昨晩は、立川の花火に行った。

猛暑なのに、芝生にシートを敷いて寝転ぶと、意外なほど風が通って気持ちいい。ビールを一口飲んで日暮れを待って、また寝転ぶ。

手に届きそうな近くで開く花火。尾を引いて高く上がって開く。すごいのが上がると、寝てたのをがばっと起きてしまう。

 

皇后陛下の印象が強すぎて気が引けていたけど、やっぱり気になっていた。夫の本棚から無断借用して、今日一日拾い読みする。

精神医学の本としては「古典」に属するのだろうけど、道徳的で宗教的で哲学的なところは少しも古くない。簡明で滋味のある文章。カウンセリングのように自分を整理できる。

昨日は一日三宿で待機。「中原の虹」を読み終わって北方健三に取り掛かったところでお呼びがかかる。無事に終わって、予想していたよりもましな結果になって、夫の顔をみたら涙と鼻水が止まらない。

帰りは渋谷まで歩いて気持ちをなだめる。

今日も顔を見ていたら号泣しそうになった。

 

 

 

夫が当直している部屋に遊びに行く。

小さなベットとデスク、テレビ、動いていない冷蔵庫。診療所みたいな明るい部屋。時々かかってくる無茶な電話、鍵を返しに来る人との会話。大きな家に住んでいるみたいだった。

 

1泊2日で夫の実家に行く。みんなから大歓迎してもらって、ドライブして、風景もきれい。

ハリネズミみたいになっていた2日間だった。

 

念願の大きなベットを買いに行く。あれこれ寝転んでみて、あまりに心地よいノンコイルのマットレスに決定。

配送の手続きしている間に、お店の人から「お引越しで買い替えですか?」と聞かれて、「いえ。最近同居しましたので。」会話が続かなくなった。

新婚には見えないらしい。

 

夫と妹をつきあわせて、有名デザイナーのお城のような店に行く。

カタログ見比べて、雰囲気の違うドレスを3着合わせる。いっぱしのお嫁さん気分。

帰りに居酒屋でごはん食べながら「お式」とか「旅行」の話をした。

夫のおすすめ。初めて読んだ西丸震哉。

せわしい街の暮らしを離れて自然の中でゆっくり読書と瞑想を楽しむために、小さな家を持つ。場所を選び、図面を引く過程を楽しみ、1年に数回休暇を過ごす。

せいぜい1坪か2坪の山小舎と水と燃料。そして風景。一人の時間を味わうために必要なものは存外少ない。

 

寝起きは食欲がない。

というので、おにぎりを作って持って行ってもらうことにしたら、おかずも詰め始めた。気が付いたら、私がおかずを詰めている。

自分は持っていかない。

 

土曜日、雨降りだったけど、電車に乗って池尻大橋に行く。

坂を上って桜を見に行くと、グランドの横でのびのびと腕を広げていた。

山の一本桜みたいだった。

いろいろな人からぽろぽろと結婚祝いが届く。そんなに覚えてもらって祝ってもらうほどのオンナではないはずなのに。今まですごく悪いことをしていたような気がしてくる。

昔の同僚からもらった時計。後輩から来た宅配便の不在通知。先輩のワイン。

« 前ページ次ページ »