さんぽ


昨日はいい天気になったので散歩に行く。

関東のお寺とは思えない、繊細な雰囲気がする。苔の青さ、イロハカエデの優しい重なり。

彦根藩井伊家のお墓は、男性も女性も同じ大きさで、子供の墓は母親の近くに置かれている。井伊直弼のお墓のすぐ後ろに桜田の変で亡くなった家臣のお墓があった。

禅寺は、意外に優しい。

 

やっと週末の時間ができて、夫は帰省して魚釣りしてるし、私は散歩がてら展覧会。

出光のコレクションから、宝石のように光る北宋の瓶、もち肌に触りたくなるような朝鮮の壺、ここまで来たか、と思わせる志野焼の水指。

お茶を飲みながら眺める皇居の風景が、この美術館の展示の一つ。

 

昼ごはんに食べた外食の中華が大変いまいちだったし、通院やら披露宴の買い物やら美容室やらでうろうろして疲れてたら、東急百貨店の裏に発見。

アイスチョコドリンク(ミルク)は、上品な甘さで後味がすっきりして夢のようにおいしかった。チョコレートはいつでも憧れの食べ物。

 

神泉の駅を降りて、川底みたいな道を歩く。大きな川みたいな道路を横断すると、お屋敷町の坂を上る。

上りきった突き当りに、美術館はある。今は初期伊万里の展示。重たげな柔かそうな地肌に、のびのびした染付。描いている職人がにこにこしてたのが分かる。

一番気に入ったのは、上から見ると桃の形になっている水指。薄暗い茶室に、こんな楽しいものが置かれていたらきっと幸せになる。

 

夫の職場の参観に行く。説明聞いて、お昼ご飯食べて、午後は敷地内の資料館見学。

でかいものや、小さいものや、古いものや新しいものを見て、なんだかうれしくなる。あと、働いている夫を眺めるのは、とても楽しい。

 

昨晩は、立川の花火に行った。

猛暑なのに、芝生にシートを敷いて寝転ぶと、意外なほど風が通って気持ちいい。ビールを一口飲んで日暮れを待って、また寝転ぶ。

手に届きそうな近くで開く花火。尾を引いて高く上がって開く。すごいのが上がると、寝てたのをがばっと起きてしまう。

 

皇后陛下の印象が強すぎて気が引けていたけど、やっぱり気になっていた。夫の本棚から無断借用して、今日一日拾い読みする。

精神医学の本としては「古典」に属するのだろうけど、道徳的で宗教的で哲学的なところは少しも古くない。簡明で滋味のある文章。カウンセリングのように自分を整理できる。

昨日は一日三宿で待機。「中原の虹」を読み終わって北方健三に取り掛かったところでお呼びがかかる。無事に終わって、予想していたよりもましな結果になって、夫の顔をみたら涙と鼻水が止まらない。

帰りは渋谷まで歩いて気持ちをなだめる。

今日も顔を見ていたら号泣しそうになった。

 

 

 

昨日は夫と習字の道具を買いに行って、神田明神にお参り。

角を曲がると真っ赤な鳥居と社殿。傘をさした参拝の人々。夏越しの祓えのための茅の輪をくぐってお参り。形代を収めてお札をもらう。

おみくじを引くのは何となく不安でやめてしまった。

 

昨日は夫と東急本店で買い物。深川製磁で双葉の模様のお皿を購入。白い肌に染付の青と緑が美しい。

地下に降りて、大学の後輩に会ったので夫を引き合わせる。若旦那ははっぴ着てがんばっていた。大先輩が「高いけど高くない」と言っていた梅干を購入。明日のおにぎりになる予定。

飯田橋からお堀沿いに歩いて橋を渡り、靖国神社の杜を歩いて九段下の駅まで夫と散歩。

曇りがちの涼しい風と緑の香りの中、車の音が聞こえない別世界を少し歩いた。東京には安らかな空間がちゃんと残っている。

 

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